お給料について、聞きづらいことってあると思います。
就活中は特に。
そこで、今回は客先に常駐しているSEが、どのように給料アップさせているか、そのノウハウをご説明します。
・お給料ってどれくらいもらっていればいいの?
・お客様先に常駐しているSEだけどお給料が上がらないかな?
・どうすればお給料が上がるかな?
・お給料・お金に関わる部分だけに親や同期にも相談できない
・転職までは勇気がない
こういった疑問に答えます。
ポイント
✔︎本記事の内容
客先常駐しているシステムエンジニアがお給料を上げる方法をまとめました
この記事を書いている僕は、会社の評価制度を検討、運営する経験もあり、実際に毎年30人以上の評価をしていました。
結論から言うと、1番効果的にお給料を上げる方法は、転職して環境を変えるのが1番近道です。
でも、それはスキルを保有していることが条件ですし、あまり経験がない人や、転職するまでの勇気がない人にはお勧めできません。
そのような人は、社内でお給料を上げていく必要があります。そこで、今回は
社内でお給料を上げていくノウハウについて解説します。
まず、一般的にシステムエンジニアの年収がどれくらいでしょうか。
JISA(情報サービス産業協会)という団体でで2019年度版の情報サービス業界で働いている社員のお給料が出ています。JISAは、IT系の上場企業も参加している団体です。ベンチャーよりも歴史のある企業が多くて、いわゆる中堅企業から大企業が多いです。その企業から毎年ヒアリングして集計した結果を掲載しています。そこで平均給料を年齢別で掲載しています。
ポイント
✔︎年齢によるお給料
25歳:370万円
30歳:447万円
35歳:521万円
上記の金額を大体の目安と考えてもらえればいいと思います。1年間のお給料と賞与(ボーナス)の合計の金額になります。まあ、上記の金額をもらえていれば、大体の平均と考えてください。
通常の会社では、お給料を決める際に、人事考課(査定)という評価をします。
学校で言うと、通信簿や成績表ですね。学校では、テストを受けて通信簿や成績表が出ますが、会社では、人事考課(査定)をします。
その評価を上げることが、お給料を上げることに繋がります。
その評価基準や方法は会社によって異なりますので、一概には言えませんが、今回は一般的な会社や私が所属している会社を例にご説明します。
正確なところは、自社の評価制度によって変わりますので、ご了承ください。
特に客先常駐SEならではの評価について後半部分で重点的にご説明します。
ちなみに、就職や転職活動中に、そのような説明はほとんどありません。
求職者も、面接などで聞きづらい部分だと思います。
でも、本来どう評価するのかは入社前に事前に説明すべきポイントだと思います。
その会社の考え方も分かりますしね。
会社によって異なると思いますが、大体以下の観点を評価しています。まずは、一般的なシステムエンジニアの査定方法についてご説明します。
1.一般的なシステムエンジニアの査定について
(1)能力的観点
◯評価項目
・ITスキル
・マネジメントスキル
例えば、社員の保有しているITスキルは何があるのか、どのようなマネジメントスキルを保有しているかを評価します。
能力評価は、客観的に保有しているスキルで決まるので分かりやすいですね。
◯評価方法
評価方法としては、以下の通り
・保有資格の確認
・社内テストの実施
・業務経験をヒアリング
従って、資格を取得したり、社内テストで高得点を取ることによって評価が上がります。
また、業務経験については、2パターンあります。
浅く広くいろいろな業務を経験するパターンと、一つの分野に特化して深く経験するパターンによって評価は上がります。どちらも評価は上がりますが、会社の考え方で、どちらに重きを置くかは変わりますね。
個人的には、若いうちは、この能力評価を高めることに意識してもらえればと思います。
なぜなら、将来的に給料交渉する際に、ここが1番重要だからです。
能力が上がれば、お給料はついてきます!
従って、将来的なことを考慮すると、この能力を高めてください。
(2)情意的観点
◯評価項目
・規律性:勤務態度や報告・連絡・相談の頻度
・積極性:積極的な言動の有無
・責任性:自身の役割の遂行度
・協調性:自分勝手な行動、和を乱す言動の有無
◯評価方法
日頃の態度や言動をチェックしています。
正直、評価する上長が、同じ職場にいれば、情意的な評価はつけやすいのですが、別の職場にいる場合には、なかなか評価しづらいものです。
客先常駐が多い会社は、普段の職場は見えないので、お客様からの情報や、上長が日頃の言動から類推します。
従って、日頃の印象が色濃く反映されます。ただ、情意的観点の評価は、マイナス評価されなければいいと思います。
(3)業績的観点
◯評価項目
・仕事の量、質
・目標設定
◯評価方法
・労働時間、業務の完成度、目標達成度を評価します。
仕事の量とは、お客様先での仕事のボリュームのことです。
仕事の質とは、仕事にミスがなかったか、トラブルは発生しなかったかなどになります。
目標とは、自分で立てた目標の達成度合いになります。
(4)その他
・年齢給:年功序列制度を利用している場合は、年齢によって昇級します。
・社員紹介制度:友人や知人を紹介すると、一時金として(5万円〜100万円)もらえます。会社によって、かなり違いますね。
次に、客先常駐SEならではの査定方法を説明します。
2.客先常駐システムエンジニア(SE)の査定について
(1)現場営業の実施
現場とは、お客様先のことです。お客様先で営業をかけるという意味です。
具体的に言うと、お客様先に常駐しているエンジニアは、お客様が持っている案件や今後の計画をいち早くキャッチできます。
従って、その情報を収集し、自社に情報を展開し、その案件にマッチできる人材を提案するための活動のことです。
営業が動くよりも、現場のエンジニアが現場営業を展開した方が、お客様もよっぽど信頼できます。営業に説明する手間も省けますので。
そのようなエンジニアがいれば、そのプロジェクトも大きくなります。このような活動を実施して案件をゲットできれば、評価アップに繋がります。
(2)リーダー業務の実施
例えば、上記のように自分が獲得した案件の場合、案件のリーダー的な立場になり、各種業務の指示命令をするケースがあります。
リーダーの立場で仕事をする場合も、評価対象になります。
また、将来的にもリーダー的な立場で仕事をした経験があれば、条件も良くなりますので、積極的にリーダー業務は経験しましょう。
(3)社内研修講師等の実施
例えば、新入社員や中途社員が入社した際に、社内研修をします。もし、専属の講師がいなければ、その時の研修講師になる場合も、評価対象になります。また、仕事上では、わかった気になっても、本当に理解しないと人に教えられないので、いい経験になると思います。
(4)採用活動のヘルプ
特に求職者向けの説明会や学校説明会など、現場のエンジニアとして話をする機会があります。そのように採用活動のサポートをする場合も評価対象になります。
(5)お客様評価、表彰制度
配属先のお客様の評価、特に表彰されたような場合は、評価対象になるケースがあります。
(6)単金アップ
分かりやすい例です。お客様との契約金がアップした場合です。例えば、顧客と自社が派遣契約を結んでいる場合、自分の派遣単金(時給)がアップした場合です。
私の経験上、単金をアップさせるのは簡単ではありません。なぜなら、派遣単金は毎月のコストだから、継続的にコストが増えるからです。
それなのに、派遣単金をアップすることは、常駐しているシステムエンジニアの頑張りに対してお客様もそれに応えたいからです。
ただ、この単金アップについては注意点があります。
派遣単金がアップし、本人の給料にも反映する会社もあれば、給料に反映しない会社もあります。
一般に言う派遣会社に登録している派遣社員は、派遣単金がアップするに伴い、ご自身の時給もアップします。
でも、派遣契約で客先に常駐しているエンジニアは、お客さんと自社の契約が派遣契約というだけで基本は正社員ですので、時給換算でお給料をもらえる訳ではありません。
よく誤解されますが、派遣契約で客先に常駐しているエンジニアと、派遣会社に登録している派遣社員は違います。
派遣契約で客先に常駐しているエンジニアは、仮に派遣契約が無くなったとしても、正社員なので、お給料はもらえます。
一方、派遣会社に登録している派遣社員は、派遣契約が無くなったら、お給料は支払われません。
従って、客先に常駐しているエンジニアは、お客様との派遣単金がアップしても、給料に反映されない場合もありえます。
ちなみに、社員に単金を伝えない会社もあるため、社員が自分の派遣単金を知らないこともあります。
その場合は、もちろん派遣単金がアップしても評価が変わりません。
派遣単金は、個人のスキルだけではなく、その会社の信頼や社会的認知度などの総合的な評価もあるからです。これは会社の考え方、スタンスになります。
よく、単金アップしたのに、お給料が上がらない点について社員からの不満や愚痴を聞きます。もし、そこのポイントが納得できないのであれば、入社前に確認しておきましょう。
私の個人的な見解は、自分がいくら売り上げているのかは知っておいた方がいいと思います。
そして、それが自分の価値なのか、会社としての評価なのかは把握しておいた方がいいと思います。
なぜなら、それを確認することが色々な発見に繋がるからです。
自分の長所や欠点、自社の良い点や、足りない点などに気づく良い機会になります。
(7)給料交渉
1番効果的なことは、給料交渉をすることです。
そのためには、自分の市場価値を把握しておく必要があります。今までの経験や、スキルを踏まえて、他社のお給料相場を知っておけば、自社に交渉する材料になります。
ただ、給料交渉をやることを控える社員も多いです。会社に対して評判が悪くなると感じている人もいますが、私から言えば、そんなことありません。
私自身も給料交渉を受けていましたが、本人の目標や考え方が分かるので、非常に意味があります。
また、給料交渉をするということは、この会社で仕事を継続する意思を感じるからです。
しかも、自分のスキルをアピールする気概を持っている人が多いし、そのような人は伸びるからです。
それでは、自分の市場価値を知るためにはどうすればいいでしょうか。
それは、他社の意見を聞くことです。
他社に、自分の経験やスキルであれば、どれくらいのお給料なのか聞くことです。
この業界で働いていれば、他社の知り合いもいるでしょう。
知り合いで聞きづらいのであれば、転職エージェントに確認してもいいかもしれません。
詳しく知りたい方は、ブログ(【採用マネージャーが解説】システムエンジニア向け「サイト」、「エージェント」の使い方をまとめました)を参考までに
給料交渉をすることが1番効果的に給料アップする方法です。ぜひ実施してみましょう。
最後に。
冒頭でも説明しましたが、いきなり転職というのはお勧めしません。
やっぱり、今の会社でできる限りのことをした上で、転職する方がいいと思います。
それは、自分の心の準備や、スキルアップの準備もあるからです。
その結果、今の会社で待遇が改善されれば、それでいいし、ある程度期限を決めても、改善されなければその時に判断してもいいと思います。
それくらいの計画性を持って考えた方が、スムーズに運ぶと思います。