客先常駐SEの悩み

客先に常駐しているシステムエンジニアの単価の決め方について解説します

2020年12月24日

システムエンジニアの単価
疑問
よく単価って言葉を聞くんだけど、単価って何?

現場に常駐しているんだけど、自分の単価をよく知らない。

上司も教えてくれないんだけど?

 

こんな感じの疑問を時々聞きます。

そこで今回、以下のシステムエンジニアの単価について解説します。

 

ポイント

1.客先常駐のシステムエンジニアの単価はどうやって決まっているの?決め方について解説します。

2.会社がシステムエンジニアの単価を公表しない理由

3.単価と市場価値はイコールではない

4.システムエンジニアが自分の単価を知ることのメリット

5.単価を確認しよう

 

私は、24年間のIT業界経験を持ち、システムエンジニアとして客先に常駐し、時には営業としてエンジニアの単価を決めたり、お客様に単価交渉をしていました。

こんな私が解説します。

 

1.客先常駐のシステムエンジニアの単価はどうやって決まっているの?決め方について解説します。

まず、単価とはなんでしょうか?

単価とは、システムエンジニアの売値です。

売値とは、システムエンジニアの技術力だったり、人間力だったり、経験だったり。。。

システムエンジニアの値段のことです。

要は、いくらでシステムエンジニアを買ってくれるか?

ということです。

そしてシステムエンジニアの単価が会社の売上になります。

単価は、大抵は1ヶ月単位で表します。

例えば、システムエンジニアのAさんの単価は、

50万円/月

こんな感じです。

1ヶ月間現場で常駐する労働力が単価になります。

1ヶ月は、160時間で計算する会社もあれば、150時間だったり、155時間だったり。

会社によって違います。

そして単価とは、残業とかは除く基本的な契約金です。

例えば、1ヶ月160時間で計算する会社において、165時間勤務した場合は5時間残業になります。

契約によっては、5時間の残業分を追加する場合もありますが、これは単価には含まれません。

単価は、システムエンジニア1ヶ月分の売値と考えておけば問題ありません。

それでは、本題です。

常駐しているシステムエンジニアの単価は、どうやって決まっているのでしょうか。

基準のようなものはあるのでしょうか。

結論から言うと、基準なんてものはありません

実は

 

てきとう

 

です。。。

 

これ本当です。

その都度考えて、値段を決めています。

 

例えば、同じシステムエンジニアAさんが、B現場で仕事をした場合は単価50万円で、C現場で仕事をした場合は単価80万円ということがあり得ます。

同じような仕事内容でもです。

なぜ、そんなことがあるのでしょうか。

ご説明します。

一般的に単価は、下記の条件によって変動します。

1)システムエンジニアの年齢

2)システムエンジニアの経験

3)システムエンジニアのスキル

4)発注会社

5)受注会社

6)商流

7)時期

1)システムエンジニアの年齢

年齢によって単価が変わる場合があります。

例えば、現場で20代の若い技術者の上に立って、まとめるような仕事をするような役割を求められる場合です。

ある程度の年齢を求められる場合があります。

そして、年齢が上がれば上がるほど、その人に払う給料は高いと予想されるため、その分単価が高めになることがあります。

2)システムエンジニアの経験

経験の有無によって単価は変わる場合があります。

開発だけではなく、運用の経験があるとか

金融系だけでなく、公共系の業務経験があるとか

様々な経験を持っていると単価が上がります。

3)システムエンジニアのスキル

資格を保有していたり、滅多にいないスキルを持っているなど、スキル次第で単価が変わります。

4)発注会社

発注会社とは、顧客になります。顧客次第で単価が変わります。

例えば、予算がある顧客は、お財布に余裕がある分、単価が高めになりやすいです。

逆に予算が少ない顧客は単価をなるべく抑える傾向にあります。

5)受注会社

受注するIT企業の規模、上場の有無によって単価も変わります。

例えば、大手のIT企業の場合は、月間120万円以下では受注しないケースもあります。

中小のIT企業の場合は、月間40万円でも受注するケースもあります。

20年以上も前ですが、外資系のIT企業の場合は、かなりの高単価になるケースもあります。

月間200万円のシステムエンジニアもいました。

このように規模によって全く違います。

6)商流

商流とは、商売の流れのことです。

仕事を受注する立場によって単価は全く違います。

例えば、

A社(顧客)→B社(1次請け)→C社(2次請け)→D社(3次請け)

このようなケースがあります。

下請けに何社もいるようなケースを多重下請け構造といいます。

B社からC社に仕事を回すから、C社の取り分は少なくなります。

更に、C社からD社に仕事を回すから、D社の取り分は少なくなります。

そのため、C社とD社のエンジニアは、仮に同じ仕事をしていたとしても、D社のエンジニアの単価は低くなります。

7)時期

例えば、景気がいい時や人手不足の時は、システムエンジニアも不足しがちです。

そのような場合は、システムエンジニアの単価も高くなります。

 

上記のような条件によって、単価は左右されます。

1)〜3)は、個人のスキルや経験によって単価が変わるので、自分のコントロール内ですが、

4)以降は、自分でコントロールは全く出来ません。

本人の努力だけでなく、会社の状況や、時期、営業の力などの要因によって単価が決まってきます。

だから、単価を決める時の基準なんてものはありません。

 

2.会社がシステムエンジニアの単価を公表しない理由

上記のように、単価を決める際の基準が明確ではないため、会社としてはシステムエンジニアの単価というのは公表しづらいものです。

公表している会社も少ないです。

なぜでしょうか。

具体例を考えてみれば分かります。

例えば、Aさんの方が技術力、経験があるのに、Bさんの方が単価が高いということがあり得るのです。

説明が面倒ということもありますし、上司も説明出来ない可能性があります。

全ての情報を把握していないと正確に説明できないからです。

また、単価がお給料と連動している場合は尚更です。

自分の方が技術力が高いし、お客様から信頼されているのに、単価が低いからお給料が低くなる場合があるからです。

会社が単価を公表しづらくなる1つの要因になります。

 

3.単価と本人の市場価値はイコールではない

次に単価と市場価値の関係について説明します。

まず市場価値とは、

その人が「企業から必要とされるニーズ

のことです。

一般的には、システムエンジニアの単価と市場価値はイコールになると思いがちですが、実際には違います。

 

1で解説したように、単価は、本人の技術力や経験のような「本人の能力以外」の部分でも変わってきます。

だから、「単価 ≠ 市場価値

なんです。

 

現場のシステムエンジニアは、その現場のことしか知りません。

他の現場のことは把握できません。

それでは、誰が1番知っているのでしょうか。

 

営業です。

 

だから、営業が、色々な現場の情報を現場のエンジニアと共有する仕組みがあれば、そのような誤解はなくなるでしょう。

 

4.システムエンジニアが自分の単価を知ることのメリット

次にシステムエンジニアが自分の単価を知ることで、どのようなメリットがあるでしょうか。

まず、1つめは

・自分の単価を知ることで、市場価値を考えるいい機会になる。

これは、先ほどの話と矛盾しません。

単価と市場価値はイコールではありませんが、自分の単価を知ることで、自分の市場価値はどれくらいなのか

と考えるいいきっかけになります。

つまり、自分の単価は、自分のスキルや経験で決まった単価である、

とか

自分の単価は、自分のスキルや経験よりも、会社の過去の実績から決まった単価のようだ

とか

を知ることができるからです。

また、他の現場は、どれくらいの単価なのかな?

とか

色々と比較することが出来ます。

場合によっては、もっと市場価値の高い仕事につくためにどうすればいいか?

という考えが生まれるかもしれません。

例えば、同じ現場でも、単価が高めの難易度が高い仕事があるかもしれません。

そのような仕事にチャレンジしたいという気持ちが生まれるかもしれません。

そうすれば、自分の市場価値を高めることにもなります。

・自分の単価を知ることで、会社経営を知る機会になる。

自分の単価は会社の売上の一部です。

そして、自分の単価を知ることで、1人あたりの売上、利益率が計算できます。

そのようにして、どんどん深掘りすると、会社の経理、コストについても考えてみるいい機会になります。

自分の売上は、会社にどのような影響を与えているのか、

とか

自分の売上は、実は平均以下で、もっと努力しないと

とか

色々見えてくるでしょう。

 

5.自分の単価を確認しよう

いかがでしょうか。

自分の単価を知らずに現場に常駐しているシステムエンジニアをよく見かけます。

自分の単価を知らないと、環境を変えずに、いつまでもたっても成長していないということもあります。

ぜひ、自分の単価を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

新しい発見があると思います。

そして、自分の単価を把握した上で、経験やスキルを磨くことに集中してください。

最初にご説明した通り、会社や時期については、システムエンジニアでコントロールできません。

でも、エンジニア次第で経験やスキルは、身につけることができるので。

 

 

 

 

-客先常駐SEの悩み
-, , , , ,