就活や転活する際に、最初は大企業や有名企業中心に活動しますが、日本の企業の9割以上は中小企業です。中小企業も選択肢に入ると、活動の幅も広がります。そこで今回は、よく学生に聞かれる中小企業に関する質問で、
・中小企業は将来が不安
・お給料、労働時間等の条件面は大丈夫?
・下請けで大変そう
こういった疑問に答えます。
この疑問に答えている僕は、24年間 情報処理サービスの会社に所属し、現場エンジニア、営業、人事等を経験しています。役職は部長職。ちなみに、大手企業は派遣社員、中小企業は正社員として両方の立場でSEしていました。
今回は、以下の観点で取りまとめました!
ポイント
1.【現役SEが解説】システムエンジニアが中小企業で働くメリット・デメリット
2.【現役SEが解説】こんなIT企業は要注意
3.【現役SEが解説】良いIT企業の見分け方
4.【人事担当者が解説】システムエンジニアになるための就活、転職サイトの使い方
順番に説明します。
1.【現役SEが解説】システムエンジニアが中小企業で働くメリット・デメリット
システムエンジニア目線でお答えしますね。
メリット① 広範囲の業務を経験できる
これが中小企業の1番のメリットかも。広範囲の業務が経験できます。つまり、色々なスキルを身につけることができます。システムエンジニアとしては非常に良い環境だと思います。大企業だったりすると、よくいう歯車の一つになるので、明確な役割が与えられ働くことになります。何年も同じ仕事をしている人もいます。もちろん、働きやすいというメリットもあるんだけど、SEとしては色々な経験が後々財産になるので広範囲の業務を経験できるのはメリットになります。
メリット② 出世が早い
出世が早いというと俗っぽいですが、つまり大きな責任を持った役職につくことが出来ます。中小企業は、大企業に比べて人が少ないので、やる気次第で出世は早くなります。そうすると、お給料はアップするし、自分のチームを作ることが出来て、マネジメント業務も経験できます。逆に、大企業になると、学歴等の入社前の成績が関係するし、就職したタイミング次第では、上の世代が詰まっていて下の世代は、役職に就けないこともあります。
メリット③ 意思決定の自由度が高い、スピードが早い
中小企業は、関係する人も少ないし、慣例などもないこともあるので自分の思いを実現しやすいです。また、スピーディーに物事が決まります。
メリット④ 転勤が少ない
中小企業で全国展開している会社は少ないので、基本的に転勤は少ないと思います。
次にデメリットをご説明します。
デメリット① 福利厚生、研修制度が整っていない
大企業と比べて福利厚生、社員を育成する環境は整っていないことが多いです。大企業は、保養所、休暇制度、ライフプランなど人生設計をサポートする制度があったり、新入社員研修、中堅社員研修、管理職研修等の研修カリキュラムがありますが、中小企業はそこまで整っていないと思います。
デメリット② ネームバリューがない
現場のシステムエンジニアで働く分にはあまり意識する必要はありませんが、営業や採用をやっていると非常にデメリットになります。大企業と比べてネームバリューがないので、お客様に会社を認識していただくまでに時間がかかります。また、採用する際にも苦労します。学生や学校の先生や求職者に、会社の説明をするところから始めないといけないです。
デメリット③ 規模が大きい仕事に対応できない
社員数も限られているため、急な仕事や規模が大きい仕事に対応できないことがあります。
2.【現役SEが解説】こんなIT企業は要注意
それでも中小企業は有名ではないので、どんな企業か分かりません。そこで要注意な企業をご説明します。
その① いきなり客先常駐
最近は少なくなりましたが、研修や心構えもなく、いきなり客先に常駐するような会社は要注意です。少なくとも、面接等で事前に説明をすべきです。社員を商品としてしか見ていませんので、そのような企業は考えた方がいいでしょう。
その② 会議が長い
歴史のあるIT企業で多いのですが、社内の定例会議を1時間以上かけている会社も要注意です。定例会議はメール等を利用して短時間で終わらせる方が効率的です。IT企業あるあるですが、IT企業でも、いまだに紙文化のアナログな会社も多いです。非効率な企業なので、そのような企業の先は長くないでしょう。
その③ 管理職者に夢がない疲弊している会社
上記のような不毛な会議に参加している管理職者は疲弊しています。社員やお客様ではなく、会社の上層部に対する報告で頭が一杯です。社員やお客様の細かいところまでは目が行き届かないでしょう。
その④ 中堅社員が少ない会社(特に30代の社員が少ない会社)
中間層がいない会社も気をつけてください。何らかの理由によって20代〜30代で辞めている人が多いからです。年功序列的な会社の可能性があります。若いうちにお給料は上がらないでしょう。
その⑤ 多重下請けの底辺の会社
IT業界は、下請けの下請け(孫請け)や更に孫請けの下請け(曾孫請け)という構造が成立している業界です。階層が下に行けば行くほど、歯車の1つにもならないような仕事もあるし、売上も低くなります。私の会社も曾孫請けの取引から少しずつお客様と信頼関係を作って直接お客様と取引できるようになるまで10年くらいかかりました。
いかがでしょうか。上記については、入社しないと分からない場合もあります。そこで、入社しなくても、一発で要注意企業かどうかを見極める方法があります。
★就職サイトや転職サイトに、求人を毎回出している企業か?
もちろん、成長期の企業で社員数を増やしている会社は別ですが、社員数も変わらずに求人を毎回出している会社は、きっと何らかの事情により社員が辞めているはずなので気をつけましょう。
3.【現役SEが解説】良いIT企業の見分け方
逆に良いIT企業の見分け方です。入社する前に調べておきましょう。
・特色がある企業(IT企業の中でも、開発が得意、上流が得意、運用が得意等、得意分野が明確な企業はいいと思います)
・口コミサイトの元社員情報を確認(結構、本音が書かれている時があります)
・新卒の場合は、OB/OG訪問で同じ学校出身の社員から本音を探る
・人事担当者ではなく、現場の若手システムエンジニアと話す機会を設ける(社員の目が輝いていればOK)
4.【人事担当者が解説】システムエンジニアになるためのサイトの使い方
それでは、人事担当者の目線でサイトの使い方について説明しますね。
その① 学生は就活サイトで十分です。異業種から転職される方は、エージェントもありです。
有名な就活サイト、転職サイトはマイナビやリクナビですね。サイトを利用しましょう。学生エージェントは利用しなくても大丈夫です。異業種から転職される未経験者は、エージェントを使ってもいいと思います。
なぜでしょうか。
詳しくは、ブログ(【採用担当者が解説】システムエンジニア向け「サイト」、「エージェント」の使い方をまとめました)をご覧ください。
その② 2つのサイトに登録しましょう
こちらも企業目線の話になります。求職者は、できるだけ2つのサイトに登録しましょう。なぜなら、1つのサイトにしか登録しない企業もあるからです。その理由をご説明します。
企業からすると、求人を掲載するサイト毎に掲載料金がかかります。また、サイト毎にサイトの掲載内容や掲載方法が違うので、検討する時間がかかります。諸々の費用や時間を考えるとサイトを絞りたくなります。それでなくても、サイトに掲載すると同時に求職者からの電話、メールもかかり面接のアポも増えて忙しくなるからです。ちなみに、1つのサイトに登録すると継続して同じサイトに登録しがちです。契約手続きや既に掲載している情報の一部を修正するだけで対応できるからです。担当者も知っている中なので話が早いこともありますね。
ですから、色々な企業に出会うのであれば、2サイト登録してください。3サイト以上になるとメールも面倒ですし、管理も煩雑になるので2サイトがお勧めです。
最後に。
システムエンジニア目線で言うと、中小企業はお勧めです。色々な業務も経験できるので色々なスキルを習得できるからです。もし、その中小企業に問題があっても、スキルを習得しておければ転職も可能です。中小企業は将来を不安に感じる方もいますが、最近では大企業だからといって安心はできません。それよりも、中小企業で、色々なことをチャレンジしてみる方が財産になると思います。