客先常駐SEの退職

客先常駐SEがスムーズに退職できる方法をまとめました!

2020年11月1日

退職

皆さんは退職を考えたことはないでしょうか。

退職については、なかなか相談しづらい話だと思います。

退職という言葉を一度したら、そのようなレッテルを貼るわけではありませんが、そのような目で会社は社員を見ていくものです。

だから、尚更相談できません。

私自身もできれば、一つの会社で働いてければいいなあと思っていましたが、なかなか人生うまくいかないものです。

そこで今回は、客先常駐SEの退職について話したいと思います。

疑問
退職理由は?

退職って、どうするの?

転職先との調整は?

退職というのは、繊細な問題なので、詳細を知っている先輩もいませんでした。

そこで、このような疑問について私自身の失敗談も含めて、ご説明したいと思います。

私自身は、100人以上の客先常駐SEと退職面談をした経験があります。

特に注意点や事前に確認しておいた方がいいことも説明しますね。

今回は下記について話したいと思います。

客先常駐システムエンジニアと100人以上退職面談をした私がスムーズに退職できる方法をまとめました!

ポイント

その1 退職までの道のり

その2 退職時期について

その3 退職理由について

その4 退職の伝え方について

その5 大変だった退職事例について

解説する僕は、管理職者として100人以上と退職面談をしています。

また、営業としてお客様とシステムエンジニアの終了調整をしています。

その1 退職までの道のり

まずは、ざっと一般的な退職するまでのやるべき事を順番にご説明します。

① 退職を決意(転職するのであれば、転職先決定)

② 自社の上長に退職報告

③ 常駐している顧客に自社の営業が報告

④ 顧客との終了時期決定

⑤ 自社の退職手続き

順番にご説明します。

 

① 退職を決意(転職するのであれば、転職先決定)

退職の決意

事前に退職相談するケースもありますが、基本的には退職を決意したら会社に報告する方がほとんどです。

私もそうでした。

転職するのであれば、転職先の入社が決まった後に会社に報告しています。

また、家族にも事前に話していると思います。

② 自社の上長に退職報告

転職先の入社が決まったら速やかに自社の上長に報告します。

場合によっては、管理職に報告する事になると思います。

この際に、退職届を提出するようにしましょう。

退職届けを出す、出さないで、後々揉めることが時々あるので。

そして、転職先の入社時期によっては、早め早めの行動が大事です。

一般的には、遅くとも1ヶ月前には報告する事になろうかと思います。

③ 常駐している顧客に自社の営業が報告

客先に常駐しているエンジニアの場合、自社で完結することはなく、通常は常駐している顧客にもご説明します。

場合によっては、常駐している顧客から、退職を取りやめられないか?と相談されることがありますので、注意してください。

本来であれば、自社との雇用契約なのでお客様は関係ないのですが、客先に常駐している場合、お客様にも直接影響があるのでお客様から直接相談される可能性があります。

でも、そこはあくまでも相談なので、自分の思っている事を正直にお客様に伝えて問題ありません。

④ 顧客との終了時期決定

自社と顧客で後任の調整に入ります。

正直、ここが1番揉めることが多いです。

詳細は後ほど、その②退職時期でご説明します。。

⑤ 自社の退職手続き

ここまで行くと、あとは流れ作業です。

粛々と事務処理をすることになります。

小さい会社の場合、事務員が少ないこともあるので、早めに対応を促してください。

退職する際の事務処理に時間がかかるからです。

特にコロナの感染防止対策で、テレワークになっている会社も多いです。

会社の事務がハローワークでもらう書類もあるので、従来よりも時間がかかります。

その2 退職時期について

次に退職時期です。

先ほども簡単にご説明しましたが、退職すること自体よりも、時期で揉める時があります。

なぜ、時期で揉めるかというと、後任が来る時期と自分が退職する時期にズレが生じるからです。

揉める

例えば、9月末に退職する際、後任を用意できる時期が10月1日になる場合です。

退職する自分と直接、引き継ぎが出来ないからです。

この場合も相談される可能性があります。

例えば、「10月末まで待てないか」等々です。

転職先が11月入社まで待てればいいのですが、そうでない場合は、予定通り9月末に退職すればいいと思います。

それ以降は、自社とお客様の問題だからです。

そして契約によっても責任主体は異なります。

請負契約の場合は、自社で何とかする必要があります。

例えば、後任が来るまで、自社の社員で引き継ぎをする対応が考えられます。

その現場に既存の社員がいれば、その社員で対応するケースがほとんどです。

新しく自社の社員を投入しても、現場を知らないので、引き継ぎにならないからです。

一方、派遣契約の場合は、お客様で何とかする必要があります。

例えば、後任が来るまで、お客様の社員が引き継ぎするなどです。

派遣契約と請負契約で対応方法が異なる理由は、指揮命令権が異なるからです。

派遣契約はお客様に指揮命令権があるので、その指示や命令で、派遣社員は働きます。

従って、本来は引継ぎという概念はないはずです。

建前論から言うと、お客様は業務に精通しているはずだし、お客様の指示の下で派遣社員が仕事をしているはずです。

でも、実際には異なります。

派遣社員に全て任せている現場もあるので、お客様は全く把握していないということもあります。

だから、客先に常駐しているシステムエンジニアが退職する時期が問題になるのです。

実際に皆さんの自社の就業規則を確認してみてください。

自己都合退職の手続きとしては、「90日前までに退職届を提出し、引継ぎし、申し送り等を誠実に行わなければならない」などの規定になっていないでしょうか?

自社も、なるべく退職時期を遅らせるようにしている場合もあるので事前に確認しておきましょう。

もちろん、労働基準法が就業規則に優先されるので、退職日の2週間前までに申し出をすればいいのですが、それはあくまでも法律の話です。

ちなみに私の場合は、退職まで約1年かけました。

転職先が決まっていたわけではなかったので、特に急ぐ事情もなかったからです。

私の場合は個人でブログを書いたり、勉強する時間が欲しかったから、一旦会社を辞めて環境を変えようと思っていました。

だから、引継ぎにも時間をじっくり時間をかけましたので、円満に退社できました。

私のお勧めとしては、計画的に退職した方が精神的にもいいです。

私の場合は、20年以上会社にいたので、後ろ指さされながら退職するより、「本当にお疲れ様でした」と感謝されて退職したかったです。

そう考えると、申し出から退職日まで3ヶ月前後あれば十分だと思います。

その3 退職理由について

退職理由については、ケースバイケースなので、ご自身の理由でいいです。

ただ、絶対に理由は聞かれます。

会社としても、社内に報告するからです。

また、客先に常駐しているエンジニアの場合は、お客様にも説明する場合も多いです。

その際に、理由も一応聞かれるからです。でも、お客様には「一応」です。

その理由を根ほり葉ほり聞かれることはありません。

なぜ、自社が退職理由を確認するかというと、会社に問題はないか?、何が問題なのか、というのを確認したいからです。

なぜなら、他の社員も同様の不満を持って辞めてしまうかもしれないので、把握したいのです。

客先に常駐しているシステムエンジニアの存在は、会社からすると、存在自体が売り上げに直結するからです。

1名欠けると、その分の売上が下がります。

だから、会社として対応できるような理由で退職する場合は、会社としては改善できる問題か対応を検討するでしょう。

例えば、給料に不満がある、人間関係で苦労している、出世できない、地方に転勤したくない等々です。

このような場合は、本人と話し合い、お互いの妥協点を調整します。

それでも難しい場合に初めて退職という方向に進みます。

だから、退職まで、時間がかかります

一方、社員の個人的な理由で退職する場合は、仕方ありません。

例えば、社員の病気、家族介護、実家の手伝い、別の仕事をしたくなった等々です。

このような場合は、会社としても致し方ないので、退職まで時間はかからないでしょう。

その4 退職の伝え方について

勇気

私もそうでしたが、なかなか退職を伝えるのは勇気が入ります。

もう後戻りはできないからです。

会社としては、退職希望がある社員として扱うからです。

例えば、賞与(ボーナス)を査定する際も、同じ条件であるならば、退職希望のある社員よりも、長期的に働く意欲のある社員を多少でも増やしたくなります。

だから、退職したいという相談はしづらいものです。

上司に面と向かって退職という意思表示をするのは、気が引けます。

そこで、退職したいという意思表示については上長に一旦メールすることをお勧めします。

意思表示はメールで残りますし、後日面談することになりますが、上司側も心の準備ができるからです。

しかも面談する趣旨が事前に分かっていれば、お互い話しやすいので。

お勧めは、メールで退職の意思を伝えて、面談の際に退職届けを提出しましょう。

ちなみに退職届は、会社にフォーマットが無ければ、ググればフォーマットがあります。

5.大変だった退職事例について

それでは、最後に大変だった退職事例をご紹介します。

その1 無断退職

最近は無くなりましたが、昔は年に1人くらいいました。

無断で会社に来なくなり、連絡がつかなくなるケースです。

そうなると、どうしようもありません。

お客様のビルに入るための入館証を借りっぱなしで行方不明になるので、それだけでも返してもらう必要があります。

だから、自宅に張り込みます。

昔は、車で自宅近くに張り込んで、部屋の電気が明るくなったら、ドアをノックして入館証を返してもらうなどの荒技を繰り出したことも多々あります。(笑)

その2 引き抜き

これも最近は無くなりましたが、昔は結構ありました。

客先に常駐している社員を現場で引き抜くパターンです。

つまり、今まで自社の社員がお客様になるわけです。

信頼関係を壊す行為になるので、自社の社員を引き上げるきっかけになりました。

自社の社員が10名以上いた職場だったのですが、2、3名引き抜かれたため、その現場から撤退しました。

今これを表立ってやると問題になると思います。

その3 裁判沙汰になるケース

10年以上前ですが、1回だけ経験しました。

社員がうつ病を何度か再発して、休職を繰り返しておりました。

いきなり復職して、お客様先に常駐するような仕事は困難と判断しました。

そこで、復職プログラムを利用して、週に2、3日本社に通勤するところから徐々に復職できるように始めたのですが、結局再発して復職も難しい状況になりました。

自社で働くのは難しいため、自主退職を促したところ、本人は退職せず、そのまま会社に居続けました。

解雇にすればいいのですが、中小の企業は、社員を簡単に解雇できません。

解雇した企業は、ハローワークで社員を募集できなかったり、色々と影響が大きいからです。

本来であれば、その社員と根気よく自主退職の調整をすればよかったのですが、働けない状態で会社に所属していたら、社会保険料などの経費がいつまでもかかるため、その経費と退職金を相殺することに決めて、本人に連絡を取らずに2年前後経過しました。

その間に会社の就業規則を変更して、休職期間に制限を設けました。

そして、改めて会社から本人に退職するよう通知したところ、間に弁護士を入れて対応することになりました。

結局、裁判沙汰になる直前で決着しました。

このように退職については、大事になる前に速やかに対応した方がいいことを学びました。

もし、どうしても退職を自分で言い出せない場合に、無断退職するのであれば、最近は「退職代行」というものがあります。

そこにお願いすれば、自分で対応せず、代わりの第三者が対応してくれます。

私が退職対応した時には、弁護士を代わりに立てて退職の代理をしていましたが、最近は弁護士以外も対応しているそうです。

個人的には、退職は自分で対応した方がいいと思いますが、どうしても自分で対応できない人は退職代行に頼むこともアリだと思います。下記のブログを見ていただければと思います。

【人事担当者が解説】退職代行サービスのメリット・デメリットが分かる

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