こんにちは。オーイエスです。
前回は、お客様先に常駐するシステムエンジニアのメリット・デメリットをご説明しました。常駐するシステムエンジニアのメリット、デメリットを説明するサイトは多いのですが、逆に常駐元(自社側)の情報を書いているサイトが少ないので今回ご説明します。なぜなら、エンジニア側と経営側の両方の立場から物事を把握できれば、物事の本質がわかるからです。私の経験上、常駐エンジニアの気持ちも分かりますし、経営サイドの経験もあるからご説明出来ます。
今回は、常駐元(自社)のメリット・デメリットについてご説明します。
1.常駐元(自社側)のメリット
①経営が安定する
②従業員の就業場所やオフィス等の備品が不要のためコストが抑えられる
③専属の営業要員は少なくてもいい
それでは順番にご説明します。
①経営が安定する
常駐元、つまり自社としては、経営が安定します。その理由は、常駐先との契約は、大抵3ヶ月単位で契約を結びます。従って、最低でも3ヶ月分の売上が確保できるからです。従ってビジネスモデルとしては、一過性のフローのビジネスではなく、ストックビジネスです。毎月チャリンチャリンと一定のお金が入ってきますので、経営は安定します。
②従業員の就業場所やオフィス等の備品が不要のためコストが抑えられる
例えば、100人従業員がいる場合、100人が働ける就業場所を確保する必要があります。賃貸料や保証料を考えるとかなり大きな固定費になります。この固定費を削減できるわけですから、非常に大きいと思います。それに加えて、従業員用にデスクやパソコン等の備品も不要になります。
③専属の営業要員は少なくてもいい
常駐しているシステムエンジニアが信頼されれば継続して仕事がいただけるからです。従って、社員数が少ないうちは、専属の営業要員は不要です。よく社長兼エンジニア兼営業もあります(笑)。私自身も、エンジニア兼営業兼採用担当という経験はあります。ある程度規模が大きい会社になって専属の営業要員が必要になります。
次に常駐元(自社)のデメリットをご説明します。
2.常駐元(自社側)のデメリット
①常駐業務の売上は、上限が自ずと決まっている
②社員管理業務に稼働がかかる
③プロジェクトの規模が大きい場合、常駐先の業績によって契約終了した時のインパクトが大きい
それでは順番にご説明します。
①常駐業務の売上は、上限が自ずと決まっている
常駐業務は、基本的には労働集約的ビジネスです。常駐している人数分の売上しか確保できません。10人常駐している場合、10人分の売上しか確保できません。要するに、社員数が上限になります。しかし、例えばソフトウェアを販売する場合、1人で販売したとしても、ソフトウェアが売れれば売上になるわけですから、人数に縛られることなく販売数分だけ売上が増えます。ただ、それを分かっている会社は、社員数よりも売上を増やすために、社員ではなく協力会社(ビジネスパートナー)の社員を使うスキームがあります。この辺は別途ご説明します。
②社員管理業務に稼働がかかる
これは、常駐エンジニアのデメリットにもなりますが、常駐元(自社)のデメリットにもなります。教育は現場任せになりがちだし、社員の出勤状況や勤務態度等の勤怠管理が難しい面があります。ただ、最近では色々なツールを使って常駐元(自社)のルールや情報を全社員に共有する会社もあります。
③プロジェクトの規模が大きい場合、常駐先の業績によって契約終了した時のインパクトが大きい
私自身も経験があるのですが、大きいプロジェクトが突然終了する場合です。例えば、社員数100人くらいの会社で、30人規模のプロジェクトを担当しているケースです。常駐先の業績が急に悪くなり、突然倒産したことがあります。その時は確か、社員旅行に行っている先でテレビを見ていたら、突然常駐先の社長が倒産の記者会見をしておりました。我々も、ただ呆然としてテレビを見ていたことを記憶しております。その後は、30人の職場先を確保するために、右往左往したと思います。ただ、倒産した常駐先が非常に配慮していただき、いきなり30人の契約を終了するわけではなく、1ヶ月に10人ずつに分けて契約終了していただいたので、何とか30人の職場先を確保し、経営へのインパクトを抑えることが出来ました。このように、規模が小さなうちに、大きなプロジェクトを担当する場合は注意が必要です。リスク分散が出来ないからです。
いかがでしょうか。
常駐されるシステムエンジニア側のメリット、デメリットを説明しているサイトは多いのですが、今回は常駐元(自社)側のメリット、デメリットをご説明しました。色々な角度から見ていただくと、より実態が把握できると思います。