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運用とは?運用の意義と仕事をまとめました

2020年10月6日

運用監視
学生
運用とは何?

システム運用って開発と何が違うの?

保守とは違うの?

運用ってどんな仕事?

よく会社説明会をすると、学生に聞かれます。

また、こちらから説明しても、なかなか伝わらないな〜と感じてます。

確かに運用って聞かないと思います。

開発やプログラミングという言葉は知っているのですが。。。

地味で目立たないのですが、運用は奥が深いです。

そこで、今回は「運用」の説明をします。

ポイント

✔︎本記事の内容

1.運用とは?運用の意義と仕事をまとめました

2.運用エンジニアの年収

3.運用エンジニアの将来性

4.運用エンジニアになるために準備すること

5.運用エンジニアに必要なスキルは?

6.運用エンジニアで不安なこと

7.運用エンジニアのやりがい

8.運用エンジニアはオススメ!

この記事を書いている僕は、運用を10年以上経験しています。

10名前後の運用プロジェクトを任されていたこともあります。

こういった僕が解説して行きます。

1.運用とは?運用の意義と仕事をまとめました

(1)運用の意義と目的

学生に聞くと、冗談抜きで、よく資産運用と間違える方がいます。
もちろん株式投資とは違います(笑)

ここでいう運用とは、開発したシステムをお客様に納品した後のことです。

システムを開発してお客様に納品して終了ではありません。システムは動かして初めて効果が出るのです

運用とは、システムを継続・維持させる仕事です。

開発は、システムを作る会社(ベンダーと言います)が主に対応しますが、運用は納品された物を受け取ったお客様が対応するケースが多いです。

これから具体的に運用の仕事を見ていきましょう。

(2)運用の仕事

まず、時々聞かれる質問ですが、運用と保守の違いはなんでしょうか。

保守は、何かシステムにトラブルがあった場合にメンテナンス、つまり修復することです。運用をする中の一つに保守があるという考え方でいいと思います。

先ほども言いましたが、運用は、システムを継続、維持させる仕事だからです。ただ、現場ではあまり厳密に分けませんので、そこまで気にする必要はないでしょう。

さて、運用とはどんな仕事があるのでしょうか。

主に4つに分けられます。

ポイント

・運用管理
・業務運用
・システム運用
・サービスデスク

人によって言い方はマチマチですが、まあ上記のイメージで問題ないと思います。それぞれ順番に見ていきます。

(3)運用管理

運用全体を管理する業務です。

主に、運用全体の年間計画、人員計画、予算管理、構成管理、キャパシティ管理、予防保全、課題管理等を行います。運用や開発の橋渡しや運用関係者の調整役、運用の方針を決めたり、人員の配置や予算を決める管理業務です。

例えば、運用全体の課題を管理して課題解決に向けて推進役になったり、年度計画を立てて社内で予算を確保したり、人員確保の調整をするなどです。

システムの状況を把握して将来的な施策を検討することもします。例えば、来年にはシステムの処理能力が限界値に来ることが見込まれれば、キャパシティを増設する(CPU、メモリ、ディスクを増やすこと)などの対応を計画することです。

運用設計という仕事にも携わります。

運用設計とは、例えば、システムを開発する際に、運用を想定して開発することです。昔は、開発しやすい方法でシステムが完成して、いざシステムが動いた時に、維持やメンテナンスがやりづらいということが何度もあった反省から生まれた手法です。その際に、運用代表で開発段階から携わり、運用しやすいようにシステムを開発するための意見、提案をします。

このように運用管理という仕事は、運用の中でも、運用の全体の方向性を決める業務です。

(4)業務運用

なかなか説明が難しい業務ですが、業務要件に沿った形で運用できるように支援する業務です。運用のスケジュールを作成したり、システムで管理するマスターデータ(原本)を維持、メンテナンスしたり、運用設計に携わる業務です。

例えば人事のシステムであれば、組織改編や人事異動の際に、いつまでに、何をするかをスケジュールを立ててシステムに変更を加える業務などです。

また、ユーザ情報を管理するのであれば、システムを利用するためのユーザIDを発行、変更、削除するなどの業務です。

何らかの理由により特定のデータを移行する必要がある際に、データを抽出したり、移行する業務も行います。

障害が発生した場合も、業務要件を把握していないと対応できないケースがあります。例えば、夜間の23時に処理しなければならないコンピューター上の処理があったとします。その際に、何らかの理由により23時すぎても処理が終わっていない場合に、次の処理に行くべきか、それとも23時の処理を待つか判断する際にも、業務運用の出番になります。

また、運用設計にも携わります。開発者は、自分の担当業務は知っているけど、他の業務を把握していないケースもあります。そのような場合に、業務運用の担当者は、各種業務の全体を考えた上で、統制のある処理をします。すなわち、ある業務だけ特殊な処理をさせずに、他の業務と同じようなロジックで処理をさせるなどです。なぜなら、1つの業務だけ特殊な処理をさせると、障害が発生した際に、色々と考える要素が増えてくるからです。なるべくシンプルに対応した方が、運用上いいからです。

このように業務運用は、開発との接点を持つ役割を担います。

(5)システム運用

大きく分けると2つの仕事があります。

・監視業務:システムに異常がないか常に監視する仕事です。

規模が大きいシステムの場合、24時間365日監視します。その際には、輪番と言って、何人もチームになって昼間と夜間にチームを分けて交代交代で仕事をします。数十人規模の体制になることがほとんどです。

・保守業務:システムに障害(トラブル)が発生した場合に、復旧させる仕事です。

簡単なトラブルや復旧手順があるようなものは自分達で復旧させますが、場合によっては、他部門に復旧を依頼することもあります。
例えば、開発したアプリケーションに問題があれば開発部門に依頼します。他社製品のハードウェアやソフトウェアに問題があるのであれば、ベンダーと言って、ハードウェアやソフトウェアを作っている会社に対応を依頼します。

システムの管理画面で操作をします。
手順書やマニュアル等があるので、未経験者のステップアップには最適です。

(6)サービスデスク

ヘルプデスクとも言います。主にエンドユーザーからの問い合わせに対応します。電話やメール等の問い合わせが主になります。どのような問い合わせかというと、システムの操作説明やトラブル時の問い合わせです。

エンドユーザと直接接点があるので、ヒアリングやライティング等のコミュニケーションスキルが求められます。

2.運用エンジニアの年収

ちなみに運用エンジニアとは、上記運用管理、業務運用、システム運用、サービスデスクに携わるエンジニアの総称と思ってください。それでは、運用エンジニアの年収はどれくらいでしょうか。

2017年の経産省の資料から抜粋しました。IT関連産業における給与水準の実態として職種別の平均年収(万円)です。

職種別 年収(万円)
コンサルタント 928.5
プロジェクトマネージャ 891.5
基盤設計(ITアーキテクト) 778.2
SE・プログラマ(顧客向け製品開発・実装) 593.7
SE・プログラマ(ソフトウェア製品開発・実装) 568.5
SE・プログラマ(組込みソフト開発・実装) 603.9
DB・NW・セキュリティ(ITスペシャリスト) 758.2
運用管理(※1) 608.6
保守・サポート(※2) 592.2
講師・インストラクタ 651
営業・マーケティング 783.3

(※1)「運用管理」は、業務運用と運用管理と考えてください。
(※2)「保守・サポート」は、システム運用とサービスデスクと考えてください。

従って、大体、600万円前後ですね。IT関連産業の中ではあまり高くないです。

なぜなら、保守・サポートは比較的未経験者や若い年齢層が多いので相対的に年収は低くなるからです。

ただ、以前のブログを参照していただければ分かると思いますが、他の業界と比較すると年収は高いと思います。

3.運用エンジニアの将来性について

運用エンジニアの仕事は、将来的にも無くなることはないでしょう。

何故なら、先ほども話した通り、開発したシステムは動かすことによって、その効果が生まれるからです。

よく、AIなどの技術革新により、自動化されて人間は不要になる話があります。それはまだまだ先の話でしょう。もちろん、人間が対応する必要がない部分で定型的な仕事はAI等により自動化されるべきです。従って、保守・サポートの一部は自動化することにはなると思います。

でも、人間が判断したり、工夫、改善する部分は残ります。

将来的には運用管理がメインになるんだろうと考えています。

4.運用エンジニアになるために準備すること

それでは、次に運用エンジニアになるためには、どんな準備をすればいいでしょうか。

まず、運用エンジニアの中でも、システム運用とサービスデスクは、特に準備は不要です。

何故なら、手順書やマニュアル類があるはずなので、担当してから覚えればいいからです。実際に、新入社員が研修を終了後にシステム運用やサービスデスクを担当しています。

業務運用や運用管理は、経験が必要です。

例えば、業務運用の場合は、開発かシステム運用やサービスデスクを経験している必要があります。何故なら、その業務を把握しており、且つ運用を知っていないと対応できないからです。

運用管理は、システム運用の経験をしている必要があります。何故なら、システム運用に指示を出したり統制するためにはシステム運用を熟知している必要があるからです。

5.運用エンジニアに必要なスキルは?

運用エンジニアに必要なスキルはなんでしょうか?

まず、システム運用とサービスデスクについて考えてみます。

資質としては、トラブル時でも冷静に対応できる人がいいでしょう。

また、管理画面等で操作するため、入力ミスにより大きな障害が発生します。ミスが少ない注意深い人がいいですね。

あと、真面目にコツコツできるタイプがいいです。運用は、1人でも欠けたら、他の人がシフト変更なりして代わりに対応しなければなりません。従って、勤怠も良く、信頼できる人がいいです。

ITスキルとしては特にないですが、不安な方は、ITパスポートや基本情報技術者試験などの資格を勉強するといいと思います。情報処理の基本は学べると思います。

ちなみに資格は取得しなくても、勉強するだけでいいです。IT系の資格は、学んだことが、仕事に直結するので、勉強しておいて損はありません。特に運用は特化したスキルは必要ありませんが、全体的に満遍なく下記の知識があると仕事に役にたちます。

・サーバー
・ネットワーク
・アプリケーション
・データベース
・セキュリティ

だから、資格は全体的に広く浅く知識を身につけるのは効率的だと思います。特にスクール等で勉強しなくても、独学で大丈夫です。

次に、業務運用と運用管理です。

資質は上記資質に加えて、自ら改善したり工夫する人がいいですね。問題を発見して、それを解決したいと思う人ですね。

ITスキルでいうと、ITILやITサービスマネージャという資格です。

この資格は運用管理の全体像を学べる資格です。この資格に出会い、運用の標準化あるべき姿を知ることが出来ました。個人的に非常に勉強になりました。また、これは運用だけでなく、システム全般の考え方を学べる資格です。

これらも、書籍等で独学で学べるものです。IT系の書籍で定評のある翔泳社を紹介します。

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こちらは実際に私が受験した時に使っていた書籍です。ご参考までに。

IT Service Management教科書 ITIL ファンデーション シラバス2011 (EXAMPRESS)

 

6.運用エンジニアで不安なこと

そうは言っても、運用エンジニアは開発のように花形ではない地味なイメージがあるので不安。。。

という方もいますので、その辺りもご説明します。

運用エンジニアは、プログラミングのように特別なスキルがなくても、仕事はできます。

従って、入社したての未経験者が入りやすい仕事です。入り口としての仕事としてはいいのですが、その環境に慣れて、ステップアップしないと厳しいと思います。

というのは、特別なスキルがない分、淘汰されやすいのです。特にシステム運用やサービスデスクは手順書やマニュアルがあるので、そもそも特別なスキルがなくても出来るようにしているからです。

だから、ポイントとしては、自らステップアップしていく思考が必要です。だから、資格取得するなど、自己啓発が重要になります。

次に、運用エンジニアは勤務体制が不規則になりがちです。

システムは24時間365日稼働しています。2交代、3交代でシフト体制を組み、夜勤勤務、土日勤務もあります。時々、夜勤勤務に体調が合わない人がいますので、注意が必要です。

ただ、私は夜勤が終わった後に、睡眠を取ることなく、よく遊びに行ってました。夜勤明けの次の日は休みになるからです。

例えば、10月5日(月)夜勤だったとします。
10月6日(火)朝9時に夜勤が終わるとします。朝9時以降は「夜勤明け」です。
10月7日(水)は大抵お休みになります。
従って、シフト勤務は結構お休みが多いんです。

土日に混んだり、お休みのところ(病院や観光地)なども、平日の昼間に行っていました。ご自身の体力と考え方次第ですが、うまく平日の昼間を有効活用することはできます。

次に運用エンジニアは、守りのエンジニアになりがちです。

守りのエンジニアというのは何でしょうか。

運用の性質上、なるべくトラブルが起きないように、安全志向になりがちです。反面開発者は、新しい機能を追加したり、新しい手法で開発します。どちらかというと、安全より挑戦する意識が高いです。

運用者の方は、石橋を叩いて渡らないということもあります。だから、よく開発者から「運用は頭が固い」「前例主義だ」と言われることがあります。もちろん、運用者からすると、トラブルが発生しないように安全志向になるのは無理もないところですが、行き過ぎると物事が進まないケースが出てきます。そこらへんのさじ加減が難しいんですけどね。。。

そして、運用は経営側からすると、コスト(費用)と見られます。従って、コストカットされやすいのです。

開発は一時的な費用だから、経営者の目に止まりません。運用は継続的に発生する費用なので、コストカットの対象になるのです。

1番わかりやすい例は、今まで30人で運用していたのに、もっと少ない人数で運用することを求められます。もちろん、人数を減らしても運用の品質は落とせません。

運用はトラブルが発生すると企業や社会に深刻な影響を与えます。最近の例で言うと、東証のシステムトラブルはいい例ですね。

このように運用は、重要な役割を担っていますが、コストカットの対象になるなど、軽視されがちです。

7.運用エンジニアのやりがい

次に運用エンジニアとして、どんなことがやりがいになるのでしょうか。

・縁の下の力持ち

みんなで協力してシステムを支えます。シフトを組み、チーム体制で仕事をします。

例えば、作業者とチェッカーというように2人1組で作業をすることもあります。黙々とひたすら作業、チェックを1時間以上することもあります。地道にコツコツと仕事をしています。

・全体的な知識が必要

1つに特化したスキルは要らない分、全体的に満遍なく知識は必要になります。広く浅くですね。その知識が仕事に活かせるので、やりがいがでます。だから、資格の勉強は一通りの知識を学べるので、効率がいいと思います。

・トラブルが復旧した時の達成感

トラブルが発生すると、全員で連携して対応します。特に自分がトラブルの原因を見つけて対処して復旧した時の達成感はたまりませんね。

・仕事は安定している

運用はコスト削減の対象になりますが、なくなることはありません。しかも、運用は景気が悪い時でも仕事はあります。なぜなら、景気が悪い時は新しいシステムを開発するお金がないから、今あるシステムを使い続けるからです。

ちなみに、開発は景気に左右されます。リーマンショック時は、開発の仕事がなくなり、開発会社が運用の仕事を始めたことからも分かります。

8.運用エンジニアがオススメ!

いかがでしょうか。

今回は運用の仕事や意義について説明しました。

運用って、地味で目立たないのですが、実はめちゃくちゃ大事なんです。しかも、運用エンジニアは、プログラミングも不要なので未経験者でも対応しやすくて、広く浅く知識を持つことができることから、最初の入り口に最適です。文系の学生や未経験者がIT業界を目指すにあたり、お勧めしたい職種ですね。

私自身もそうでしたが、未経験者には運用エンジニアをオススメします。

まずは、IT業界の最初の入り口として考えてみると、非常に最適だからです。特に、情報処理の勉強をしたことがない人やプログラミングを苦手にしている方は、運用エンジニアからステップアップできるからです。

ぜひ、チャレンジしていただきたいと思います。チャレンジするにあたり、事前に業界や、就活、転職について相談するのであれば、以前のブログ(【採用マネージャーが解説】システムエンジニア向け「サイト」、「エージェント」の使い方をまとめました)にサイトやエージェントの利用方法を記載しているので参考までに。

もしくは、私でよろしければ、いつでもメールでご連絡ください。

直接お会いすることは出来ませんが、メール相談は大丈夫です。

もし、既に就活中の方は、面接前の準備をまとめています。以前のブログ(【採用マネージャーが本音で解説する】新卒文系向け・SE業界の志望動機の書き方)では志望動機の書き方をまとめました。最後にはサンプルもありますので参考にしてください。

 

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