・未経験歓迎の注意点とは?
よく異業種からITサービス業界に転職しようと考えている人から相談を受けます。
そこで、今回は
ポイント
【中途】システムエンジニア未経験者歓迎の注意点について解説します!
私は、24年間情報処理サービスの会社に所属し、エンジニアとして働いていました。その後、営業や新卒、中途の採用を担当していました。また、新入社員研修や中途社員研修を担当し、カリキュラムを考え、社内講師をしていました。
このような私が解説します。
私が企業の採用を担当していた2012年〜2019年までは全ての業界、企業で採用意欲が高く、常時人手不足でした。
システムエンジニアの仕事も多くて、対応する人がいなくて、お仕事をお断りすることも多かったです。
そこで人を採用するんだけども、本来は、経験者と言われる即戦力を雇用したいのですが、そのような人はあまりいません。
というよりも、いたとしても直ぐに他の企業に採用されてしまいます。
そして、このコロナの状況でも、変わらずIT業界は求人が多いです。
最新(2020年10月)の東京都の情報処理・通信事業の有効求人倍率は、1.99です。
全職業の合計は1.02なので、IT業界の求人は多いです。
その求人の中で、企業が「未経験可」と求人を出す時があります。
先日も相談の中で
そこで、今回は企業が募集する際に、システムエンジニアの未経験でも可と提示する意図について解説したいと思います。
そもそも未経験可の意味とは何でしょうか。
会社が「未経験者可」と求人を出すのには、会社側の意図があります。
その1 新卒の採用人数が足りていない場合に、若い人を採用したい
その2 IT業界未経験でいいが、社会人経験はしてほしい
その3 難易度が低い仕事を担当してほしい
その4 やる気があって、少々のことがあっても凹まない人を採用したい
その5 ハードルを下げて人を集めたい
それでは、順番に説明します。
その1 新卒の採用人数が足りていない場合に、若い人を採用したい
4月に入社する目標人数に届かなかった場合に、補充する意味です。
企業は毎年4月に入社する新入社員の目標人数を決めて採用活動します。
その目標人数に届かないため、新卒の代わりになる若い人を採用したいと考えます。
だから、新卒の代わりに、中途の未経験者の求人を出します。
大抵、10月に内定式を行います。
その内定式で翌年4月の新入社員の人数がほぼ決まりますので、足りない分は10月から4月にかけて若手の中途採用枠で対応します。
その2 IT業界未経験でいいが、社会人経験はしてほしい
次に現場の目線で考えると、新卒よりも、中途の方が欲しい場合があります。
なぜなら、中途の場合は、社会人経験があるから。
新卒になると、社会人の常識から教えないといけません。
仕事の取り組む姿勢とか、報告、連絡、相談などの基本的なやり方なども説明する必要があります。
OJTといって、仕事を体験しながら、時には失敗も体験して、少しずつ習得していきます。
その点、中途になると、ある程度の土台部分は事前に経験しているはずなので、社会の常識的な説明は省略できます。
特に客先常駐現場になると、お客様も近くにいるし、同業他社の人も周囲にいます。
社会人の常識的な部分を教えていると、お金をもらっているのに、こんなことも知らないの?
とお客様も周囲の同業他社も、いい気分はしないからです。
だから、自社の社員ばかりの現場であれば大丈夫ですが、自社の社員が少人数の現場だと、社会人経験のある中途採用を希望されます。
その3 難易度が低い仕事を担当してほしい
次に、仕事の難易度によって、未経験でもいい仕事があります。
例えば、
客先常駐する大規模プロジェクトの案件
大規模プロジェクトの場合は、仕事の内容が細分化されます。
だから、多少訓練すれば、仕事の一部はできるようになります。
具体的な仕事内容は、テストだったり、定型文書を作成したり。
大きなプロジェクトだと、雑務や事務系の仕事も多いので、そのような単純な仕事であれば、未経験でも対応できます。
ちなみに、大規模プロジェクトの例は、銀行や生保などの金融系のシステム開発等の大手企業の開発案件です。
ざっくり100人〜1000人規模で開発します。
歯車の一つとして働くので、面白みは欠けますが、未経験者から最初の一歩を踏み出せるので、アリっちゃあアリです。
その4 やる気があって、少々のことがあっても凹まない人を採用したい
これも、よくある話ですが、過去に何人も入っては辞めてしまう職場です。
例えば、癖のある人がいて、その人とそりが合わずに辞める人が続出する現場です。
あとは、労働環境がハードで、何人も辞めてしまうような職場です。
労働環境がハードとは、長時間残業や土日も出勤も多い職場や、指示が何度も変更されて、その都度仕事が振り出しに戻る職場です。
このような職場は、技術力が高い人や経験豊富な人が、新たに入ってもうまくいきません。
逆に未経験者の方が、柔軟に対応してくれることがあります。
大変だけど、こんなもんなのかな?
何の疑問を感じずに働いてくれることがあるからです。
その5 ハードルを下げて人を集めたい
これは、門戸を広げるという意味です。
ハードルを下げて、応募者を増やしたい場合に、このような未経験可と求人に出します。
そうすると、意外と、経験者が応募することがあるからです。
経験者も、即戦力求む!
よりも
未経験者可 の方が応募しやすいみたいです。
ハードルが下がるから。
まとめ
いかがでしょうか。
「未経験者可」の会社側の意図はわかりました?
これを理解していただければ、今回の採用する理由を確認できると思います。
エージェント経由でもいいし、面接の場で確認してください。
一言質問すればいいだけです。
「今回は、どのような理由で中途採用をしているんでしょうか」
その1の「新卒の採用人数が足りていない場合に、若い人を採用したい」であれば、単純に新卒同様の仕事をしてくれる人を求めているのが分かります。
その2の「IT業界未経験でいいが、社会人経験はしてほしい」であれば、新卒ではダメで、何らかの社会人経験が必要な理由があるはずです。おそらく、自社の社員数が少ないような場合が考えられるでしょう。
その3の「難易度が低い仕事を担当してほしい」の場合は、大規模プロジェクトの案件の歯車の一つだったりすることが考えられます。
その4「やる気があって、少々のことがあっても凹まない人を採用したい」は気をつけましょう。何らかの理由で急に人が必要になったことが考えられます。事前に確認しましょう。
その5の「ハードルを下げて人を集めたい」は、人気のない企業だったり、人気のない仕事内容の場合に、このような求人の打ち出し方になります。つまり、ハードルを下げないと応募がありません。長い間求人が出ている企業は要注意ですね。なかなか採用できていないのが明らかです。
このように、「未経験者可」の会社側の意図を知っていただければ、どのような質問をすればいいかも分かるかと思います。
最後に。
この業界は、未経験者で出来る仕事は限られます。
いきなり、希望の仕事は出来ないと思った方がいいです。
でも「未経験者可」の仕事は、チャンスです。
ぜひ、積極的にチャレンジして欲しいです。
そして、就職したら、少しずつでもいいので希望の仕事にチャレンジしてください。
自分から行動しないと、いいように使われますので。
自分の気持ちを大事にしてください。