今回もSES営業についてお話しします。
・SES営業が給料アップするにはどうすればいいの?
・SES営業のやりがいは?
こういった疑問に答えます。
ポイント
✔︎本記事の内容
1.SES営業の給料の決め方とは
2.SES営業の給料の上げ方について
3.SES営業のやりがいについて
この記事を書いている僕は、SESの営業部長として7年間勤めていました。
1年間の売上は毎年2億円〜3億円でした。
こういった僕が解説していきます。
1.SES営業の給料の決め方
まず、SES営業の年収はいくらくらいでしょうか。
経済産業省(2017年IT関連産業における給与水準の実態① 職種別)では、営業・マーケティングは年収783.3万円です。
日本の平均年収は436万円と言われていますし、IT業界でもコンサルタント、プロジェクトマネージャーに次ぐ年収です。
SES営業は、それに近い金額だと思います。
年収的には結構、魅力がありますね。
次にSES営業の給料はどうやって決められるでしょうか。
通常、営業は、インセンティブといって「成果報酬」のケースが一般的です。
つまり、売上実績をベースに、報酬が決まります。
例えば、「ウォーターサーバー」を販売する営業だったら、ウォーターサーバー1台販売すれば、1割のインセンティブがもらえるなどです。
販売すればする程、お給料がもらえます。
でも、販売できなければ、基本給以外はもらえません。
だから、かなり分かりやすいゲームです。
でも、SES営業の場合は、インセンティブよりも営業手当が支給されるケースの方が多いかもしれません。
大抵は、基本給+営業手当として定額が支給されることが普通でしょう。
インセンティブが少ない理由は2つあります。
1つめは、SESの特性上、有限の資産だからです。
先ほどのウォーターサーバーは、製品になるので在庫が無くなっても、また補充すればいいわけです。
一方、SES営業の場合は、商品はシステムエンジニアになります。
大抵は、自社の社員になるので、有限の資産です。
自社の社員がいない場合は、ビジネスパートナー(BP)に依頼してシステムエンジニアを用意しますが、これも有限です。
だから、SES営業がいくら優秀でも無い袖は振れません。
だから、インセンティブとして成り立ちにくいです。
2つめは、顧客から案件を受託するポイントは、システムエンジニアの力によるところが大きいからです。
営業よりも、システムエンジニアの経験やスキル、対応できるリソースによって、その仕事を受託できるかが決まります。
また、案件を受注してから、無事に納品できるところまではシステムエンジニア次第です。
従って、営業によって案件獲得が左右されるケースは少ないからです。
以上、2つの理由によりインセンティブよりは営業手当という形が一般的です。
ちなみに、残業代は営業手当に含まれている考え方をしている企業が多いです。
つまり、営業手当=固定残業代(みなし残業代)」という認識で支給されているケースが多いです。
2.SES営業の給料の上げ方について
それでは、次にSES営業の給料はどうすれば上がるのでしょうか。
資格手当や役職を上げていくという方法はありますが、それ以外の方法をご説明します。
SES営業の給料を上げるためには、担当しているプロジェクトの売上を上げる必要があります。それには大きく分けて以下の2つの方法があります。
(1)現行プロジェクトの売上単価を上げる
(2)新規プロジェクト数を増やす
(1)現行プロジェクトの売上単価を上げる
これにも2つの方法があります。
その1 プロジェクトに携わる要員を増やす
業務が増えた場合に、要員を増やすことが出来ます。
その2 プロジェクトの要員の単価を上げる
比較的にスキルと単価が低い要員を常駐させ、成長度合いに従って単価を上げることが出来ます。
(2)新規プロジェクト数を増やす
これは、新しいプロジェクトを受託することです。
この(1)(2)の片方もしくは両方できれば担当する売上を増やすことが出来ます。
でも、「言うは易し行うは難し」です。
なぜなら、先ほども再三説明している通り、対応できるシステムエンジニアは限られているからです。
そこで、上記(1)、(2)を実現するためには、必要なことは2つあります。
その1 BP(ビジネスパートナー)を増やす
自社の社員は、なかなか増やすことは出来ませんが、頼りになるBP(ビジネスパートナー)を増やすことができれば、タイミング次第で、BPの社員を紹介していただけます。
そして案件の開始時期と、BPの社員の対応可能時期が合えば、案件を獲得できるチャンスです。
その2 PL(プロジェクトリーダー)を増やす
実は、その1のBPだけだと案件を回すことが出来ません。なぜなら、案件責任者が不在だからです。案件責任者は自社の責任者を立てる必要があります。だから、自社のPL(プロジェクトリーダー)が必要になります。自社のPLの下にBPを配置するような体制にします。
SES営業がこのような構想を構築して初めてプロジェクトの体制が出来上がります。
そして、SES営業の給料を上げることが出来ます。
私が勤めていた会社でも、他業界から来た営業もいました。
前職時代は、他業界で基本給が10万円前後で、残りがインセンティブという強者でした。
ただ、毎月売上を確保しなければ、基本給10万円という心理的圧迫に耐えかねてSES営業に転職しました。
全くの知識ゼロでSES営業に配属されましたが、無事に仕事を続けています。
本人も、インセンティブで高い給料をもらうのではなく、営業手当のような形で安定した給料をもらえることを気に入っていました。
このように、SES営業は、ルート営業中心で新規顧客を獲得するノルマもなく、営業手当という形で安定した給料をもらえるので、営業経験者は心配や不安は少なくてすむと思います。
3.SES営業のやりがいについて
最後にSES営業のやりがいについて考えます。
私自身は約7年間SES営業をしておりました。
その経験上、単なる御用聞きの営業は、やり甲斐が感じませんでした。
御用聞きの営業とは、お客様の所に伺い、「何か仕事はありますか?」
と声をかけてお客様から仕事をいただく営業のことです。
これは、完全にお客様次第で仕事をいただけるかが決まるので、営業としての力量は発揮できません。
ただ、大抵のSES営業は、このような取引のある顧客先に出向き、ご機嫌伺いのようなものからお仕事をいただくことが多いです。
一見すると楽に感じますが、営業としての充実感はあまり感じませんでした。
一方、主体的に案件を作るような営業は、やり甲斐を感じます。
例えば、現場のエンジニアと現場の問題点を考え、その問題点を解決するために仕事を作り、案件化するような仕事です。
以前あったケースとしては、エンドユーザーからの問い合わせを管理できていないため、クレームに発展した時に、その問い合わせを管理するための仕組みを作り、更にその問い合わせに対して、開発元にフィードバックしてエンドユーザの不満を解消できる機能追加するような仕事を作ったことがあります。
このような時は、営業もシステムエンジニアもやり甲斐を感じることが出来ました。
また、「主体的に案件を作る営業」が大きく稼げるようになるのではないかと思います。
まとめ
・SES営業は、インセンティブよりも営業手当が支給されるケースが多いため、出来高で決まる他の業界の営業に比べて大きく稼ぎづらいです。
・他の業界よりも平均的な年収は高いです。
・SES営業の給料の上げ方は、プロジェクトの単価を上げるか、新規のプロジェクト数を増やすかの二択です。
・SES営業は現場のシステムエンジニアと一体となって、顧客の課題解決に貢献できるような仕事を案件化するとやり甲斐を感じます。