SES営業の悩み

SES営業の仕事内容をまとめました

営業

今回は、SES営業がどんな仕事をしているのかをご説明します。IT業界にいても、システムエンジニアに比べてSES営業の仕事を経験している人が少ないので、何をしているか分からない人も意外に多いです。

疑問
・システムエンジニアなんだけど、営業って何してるの?

・営業が苦手だけど、SES営業出来るかな

・システムエンジニアからSES営業に配置転換したけど、SES営業出来るかな

・営業経験はあるけど、SES営業に転職出来るかな

こういった疑問に答えます。

ポイント

✔︎本記事の内容
1.SES営業の仕事内容をまとめました
2.SES営業の1日の流れ
3.どんな人がSES営業に向いているの

この記事を書いている僕は、7年間SESの営業部長を経験しています。
1年間の売上は毎年2億円〜3億円でした。

こういった僕が解説していきます。

 

1.SES営業の仕事内容をまとめました

まず、SESについてご説明します。

SESとは、「システム・エンジニアリング・サービス」のことです。

具体的に言うと、お客様がシステム開発やシステム運用出来るように「技術的に支援する仕事」のことです。

例えば、システムエンジニアがお客様先で常駐しながらお客様と共同でシステム開発やシステム運用業務を行います。

そしてSES営業は、「お客様の要求を満たせるようなシステム開発やシステム運用を技術的に支援する契約を受託する」ことが仕事になります。

難しく書きましたが、平たく言うと、SES営業の実態は、「お客様の要求を満たせるシステムエンジニアを提案する仕事」になります。

営業の種類

一般的に営業は、既存営業(ルート営業)、新規開拓がありますが、SES営業は基本的に既存営業(ルート営業)中心になります。おそらく、7割8割は既存営業になると思います。

既存営業(ルート営業)とは、既に取引がある顧客に対して行う営業です。

なぜ、既存営業(ルート営業)が多いかと言うと、一旦案件(仕事のことを案件と言います)に入ると、数ヶ月、長ければ何年間も案件を担当することになるからです。お客様も都度別の会社と仕事をするよりも、同じ会社の同じ人と仕事をする方が効率的だからです。

仕事内容としては、顧客の現状抱える課題を深堀りすることで、課題解決方法をご提案します。

SES営業の場合は、お客様の課題を解決できるITサービスを提供できる人材を提案することになります。

また、現状の取引とは別の案件が発生する可能性もあるほか、顧客との信頼関係が深まることで別顧客のご紹介をいただける可能性もあります。

取引先

顧客は法人です。

業種で言うと、金融、流通、運輸、物流、公共、製造業(メーカー)、情報通信、医療と多種多様です。

上記業種の情報システム子会社・メーカー系企業・独立系IT企業がお客様になります。

情報システム子会社は、NTTデータ、SCSK、野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ、日鉄ソリューションズ、ISID等です。

メーカー系企業の代表格は、富士通、日立製作所、NECです。

独立系企業は、大塚商会、TIS、富士ソフト、ネットワンシステムズ、DTS、システナ等です。

上記大手企業の更に子会社と契約することもあります。

だから、多重下請構造の業界と言われます。

顧客(A社)

大手情報システム子会社・メーカー系企業・独立系IT企業(B社)

その子会社(C社)

自社

 

こんな感じです。

だから、C社が直接のお客様になります。

 

商品

これは、ITサービスを提供する人材です。

自社の社員もしくは、他社のエンジニアです。

他社のエンジニアのことを協力社員やビジネスパートナー(BP)とも言います。

最近は、人手不足だったこともあり、他社のエンジニアを大量に集めることも多いです。

 

営業の流れ

大体こんな感じです。

①営業方針の決定→②案件情報収集→③提案・見積→④受注・契約→⑤請求→⑥アフターフォロー

①営業方針の決定

年間計画を立てたり、4半期の計画を立てます。その際に、重点的に営業する顧客を決めます。その方針に従い、顧客にアプローチします。

②案件情報収集

既に顧客と取引があり、自社のメンバーが常駐していると話が早いです。その顧客から案件情報をいただいたり、自社のメンバーから案件情報を収集します。

案件情報は、以下の情報です。

必要スキル、人数、金額、案件の開始時期、終了時期などです。

③提案・見積

その案件にマッチする自社の社員もしくはBPがいれば、提案・見積します。

人材の提案が先です。

具体的に言うと、人材のスキルシート(経歴書のようなもの)を提出します。

その後に職場見学会や面談等を実施します。

面談のレベルも案件によって異なり、採用面接のようなしっかりしたものだったり、簡単な顔合わせレベルだったりです。

双方とも問題なければ見積を提出します。

④受注・契約

双方とも条件が合致すれば受注し、晴れて契約締結になります。最近は3ヶ月単位で契約することが多いです。

⑥請求

客先に常駐する場合は、システムエンジニアが1ヶ月働いた後にその月の金額をお客様に請求します。

⑦アフターフォロー

特に現場に常駐して1ヶ月目、2ヶ月目は、現場に行き顧客や社員等に状況をヒアリングしに行きます。そこで問題点があれば、その問題を解決するために営業が対応します。

具体的にイメージできるようにSES営業の1日の流れをご説明しますね。

 

2.SES営業の1日の流れ(11月中旬の場合)

09:00〜10:00

自社にてA顧客から来た案件情報のメールを確認する。詳細に確認したい場合は、その場で顧客に電話します。

10:00〜11:00

BPの営業担当に連絡し、マッチする人材がいれば、A顧客に提案するための日程調整をメールする

11:00〜12:00

BPの営業担当に連絡し、マッチする人材と自社にて面談調整

15:00〜16:00

B顧客先に行きB顧客先に常駐している社員と面談し、1月以降も継続するかどうか確認

16:00〜17:30

B顧客先のお客様と面談し、1月以降も契約継続の方針を確認

19:00〜21:00

自社に戻り社内で営業会議

 

こんな感じです。

問題なければ、結構淡々としています。

 

3.どんな人がSES営業に向いているの

 

以下の3つのうち、2つあればいいと思います。

 

①システムエンジニア経験のある人

②会社経営に興味のある人

③人材マネジメントができる人

 

①システムエンジニア経験のある人

私は、いきなりSES営業は難しいと思っています。

出来ないことはありませんが、時間がかかります。

なぜなら、現場を知らないからです。

だから、システムエンジニア経験がある人がいいと思います。

営業は自社の商品知識を持っていないとお客様と会話出来ませんよね。

例えば、布団を売る営業であれば、自社の布団にどんな効果があって、他社よりも何が異なるのか説明しないといけないですよね。

また、お客様は腰痛で困っていれば、多少硬いほうが腰にいいとか、提案出来ますよね。

SES営業も、自社の商品である、自社のシステムエンジニアのスキルを理解し、顧客の問題は何かをヒアリングしないといけないですよね。

その際に、どんな職場でもいいのでシステムエンジニアとしての経験を持っていれば、何が問題で何に困っているのかを把握できるし、解決策も考えられます

 

②会社経営に興味のある人

次に会社経営に興味がある人は向いていると思います。

というか、会社経営に興味がある人は、営業を経験した方がいいと思います。

なぜなら、顧客との接点を持つことが出来るので、顧客が何を考えて、どのような要望を持っているのか把握することが出来るからです。

現場を知るためには、顧客に聞くことが確実です。

実は、顧客は客先に常駐しているシステムエンジニアには伝えづらいことも多いからです。

例えば、この案件はコスト削減の動きがあって、1年後には案件は終了するなどの情報については、常駐しているシステムエンジニアに伝えずに、営業担当に伝えます。

それはシステムエンジニアのモチベーションを下げることにも繋がるからです。

営業担当に伝えて、自社の中で対応を検討してもらい、システムエンジニアにも伝えてもらいます。

このように営業担当は、顧客との窓口にもなり、顧客の本音を聞けることが出来ます。

また、営業することで全体が見えることがあります。

営業はいくつものプロジェクトを抱えて、その収支を把握して、どのようなプロジェクトを拡張していくか、もしくは削減していくか判断します。

従って、いくつもの小さい経営判断をしていることになるからです。

このように経営に興味があるもしくは、将来経営に携わりたい人は営業を経験した方がいいです。

③人材マネジメントができる人

先ほども説明している通り、営業は顧客の要求とシステムエンジニアをマッチングする仕事です。

従ってマネジメント能力が必要になります。

マネジメント能力とは何でしょうか。

それは以下の3つの能力のことです。

・コミュニケーション能力

・目標設定能力

・リーダーシップ

コミュニケーション能力は、言わずもがなですよね。

顧客から情報を引き出し、顧客の要求に対して、システムエンジニアのスキルをマッチングさせるとともに、システムエンジニアにも、いかにその仕事をすることが会社の利益ひいては本人の利益にも繋がるかを説明する必要があるからです。

また、営業目標として適正な数値を設定し、その数値を達成するための行動目標をまとめます。

そして、その目標に向かってプロジェクトを進めていきます。もちろん、プロジェクトマネージャーが実際には現場を纏めるのですが、営業は本社の窓口になるので、時にはプロジェクトマネージャーに対しても、指示や説明をして会社としての対応を助言することがあります。

営業は、このような人材マネジメントスキルが求められます。

 

まとめ

このようにSES営業は、

顧客から本音を引き出し、マッチした人材を提案します。

現場のエンジニアとは緊密に連携するために技術も知っておく必要があります。

時には、本社のオーダーで顧客や現場エンジニアを説得することもあります。

SES営業は、IT情報サービスを提供するにあたりキーパーソンです。

だから、システムエンジニアから SES営業にステップアップすることもキャリアアップとして捉えていいと思います。

そして、将来的には、経営に携わることも出来ると思います。

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