客先常駐SEの悩み

部下の行動が変わるちょっとしたコツを解説します!

2020年9月20日

人材育成

先日、常駐先の別会社の管理職者から部下の育成について相談をいただきました。

よくある質問

「部下が自分の思った通り動いてくれない」
「どうすればいいのか」
「オーイエスさんは、どうしているのか?」

こういった相談がありました。

私達エンジニアは元々、常駐先にいるので、自社の先輩から教えを受けることは少ないと思います。大抵は、常駐先にいる他社の先輩やお客様からご指導いただくケースが多いです。この辺は(客先常駐システムエンジニアのメリット・デメリットをお伝えします!)ブログを見ていただければ分かります。

だから、部下の育成なんてものは考えたことがなくて、たまたま自社から後輩をお願いされて初めて「さて、どうしたものか?」と考えるものです。

私の場合は入社して約1年で役職をもらって、3人のリーダーになりました。その後、MAX時は40人前後の社員の管理職として仕事をするまでに至りました。また、新入社員研修・役職者研修・中堅社員研修などを企画・運営し、人材育成の研修を受講したり100冊以上の本を読んで20年間、試行錯誤しながら実践したノウハウをご説明します。

こういった僕が解説して行きます。

部下を持った上司であれば、誰もが1度は悩むものです。そこで、それを解決するために下記3つのテーマを解説します。

 

部下の育成方法のポイント

1.部下の行動が変わるちょっとしたコツを解説します!

2.部下の育て方を学ぶ方法3つ

3.部下の育成方法を学べるおすすめ本

 

順番にご説明しますね。

1.部下の行動が変わるちょっとしたコツを解説します!

その① 部下に仕事を依頼する時は、なぜ、その仕事をするのか、その目的を説明すること

よくありがちなことは、部下に仕事を依頼する際に、仕事の内容、手順から説明してしまいます。
もちろん、過去に担当している仕事であれば、それでも大丈夫かもしれません。
でも、初めて担当する仕事であれば、まず最初に以下の説明が必要です。

「なぜ、あなたがその仕事をするのか」

やらされ感満載で仕事をする時ほど、ミスが出るものです。なぜ、自分がこの仕事をするのか、理解することで、本人が当事者意識を持って仕事をすることができるから、早く仕事を覚えることができるようになりますし、ミスも減ります。

「その仕事の目的を説明する」

不測の事態が起きた時に、仕事の目的を理解していれば、その目的の範囲内で部下が自分で考えることができます。また、その判断に間違いが少なくなるからです。

例えば、あるアプリケーションの動作が遅くて、お客様から「待ち時間が長い」と言われたとします。

原因を調査して、その対処をして、その対処が問題ないかどうかをテストをする必要があります。その場合、原因はアプリケーションだけの問題ではないかもしれません。サーバーやハードディスク等の機器を変えないといけないかもしれません。そうすると、時間やコストがかかるので、お客様の待ち時間が長いという問題を解決できるかもしれませんが、費用がかかったり、時期が遅れることになります。

その時に、なぜ、お客様が待ち時間が長いと考えるのか。その目的から考えてみると、違った観点で解決方法が思いつくかもしれません。

例えば、どれくらい待てばいいのかが分からないからストレスを感じていると分かれば、待ち時間を表示してあげれば、問題は解決します。

もしくは、そもそもお客様に待つ行為を無くして、別の作業を可能にするなどの解決策があるかもしれません。このように、目的から考えると、違った観点で物事が前に進むケースはいくらでもあります。

その② 人の立場に身を置く考えを持つこと

どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせるか。

考えたことありますか?

例えば、私が研修講師で社員に指導していた際に、何度も社員に資格を取得するように指導しても、全く資格を取得する気を起こさない社員がいました。

「どうすれば、社員が自分で資格取得するために勉強を率先してやるのだろうか」

と考えたところ、自分だったらどうか?と相手の立場で考えました。

その時に、思いついた方法は、資格を取得したら、通常の約半年間のカリキュラムを免除するというやり方を考えました。それまでは、約半年間の授業を受けた後に資格取得にチャレンジするものでした。ですから、半年間は私の退屈?な授業を受けないといけません。これは、学校と同じで苦痛ですよね。だから、自分で勉強して資格を取得すれば、半年間の授業は免除にしたところ、半年間かからずに、資格を取得した社員が続出しました。

このように、何度も指導したり、叱責しても効果がなかったのに、本人にメリットを感じてもらうだけで、行動を促すことができるのです。

その③ 日報を書いてもらう

日報を書くメリットは以下の通り。

メリット

メリット①日々の成果をアウトプットできること
メリット②明日の計画を考えられること
メリット③上司が進捗管理できること

日報なんて、なんか昔っぽいなとか、古いと思う方も多いかもしれません。
ただ、古い手法ですが、実はテレワークなどのリモートワークにも有効です。
なぜなら、上記の通り、本人のためにも上司のためにもなるからです。

ちなみに、日報のポイントは、事前にどんな情報を収集して、それをどのような活動に生かすか、それを先に決めておくと良いと思います。
また、よくありがちなことは、日報のフォーマットを凝ってしまい、日報の作成や確認することに時間を取られては本末転倒です。
極力シンプルにすることが長く続く秘訣です。

2.部下の育て方を学ぶ方法3つ

それでは、部活の育て方を学ぶ方法を3つご説明します。

その①研修

メリット:体系的に学ぶことができる、強制力がある
デメリット:割高、受け身になることも、自分のペースで受けられない、会社の規模によっては受けられない場合がある

ある程度の規模の会社になると、リーダー研修等の研修環境を用意します。それは、社内で実施する研修もあるし社外で研修をすることもあります。育成手法の理論を学ぶ事がメインの研修です。

その②仕事で実際に体験して学ぶ

メリット:仕事を通して学ぶ事ができるから、身につく
デメリット:体験するまで時間がかかる、経験できる先輩がいない場合がある、自分のペースで受けられない

実際に現場で仕事を通して学ぶ方法です。1番身になる方法ですが、時間がかかるのがネックです。

その③本で学ぶ

メリット:短時間、割安、自分のペースで受けられる、体系的に学べる、会社の規模は無関係
デメリット:強制力がない

本は1番お手軽に学べます。

私自身は、②、③の合わせ技がおすすめです。つまり、本で読んだことを仕事で実践するのです。そうすれば、フィードバックもできます。

ということで、1番おすすめの「本」の中でもおすすめ本を紹介します。

3.部下の育成方法を学べるおすすめ本

私が20年間で100冊以上の本を読んだ中で、ベスト3をお勧めします。

・人を動かす D・カーネギー:

言わずもがなの世界的ロングセラーの本です。
人間関係の原則を具体的に明示して、人間関係の専門書の原点と言ってもいい本です。
部下を育成することもそうですが、営業などお客様との交渉を考える上で勉強になる本です。
具体例が数多く載っているため、ボリュームから考えると、じっくり腰を落ち着けて読むことをお勧めします。

・リーダーになる人に知っておいてほしいこと 松下幸之助

こちらはパナソニックの創業者の松下幸之助さんの名著です。
私も松下さんの本は10冊以上読み、会社の研修教材としてよく使わせていただきます。
どの本も人材育成について書かれていますが、この本は会話調で優しく語りかける感じなので非常に読みやすいのでお勧めします。

・コーチング 落合博満

こちらは野球選手で中日の監督にもなった落合さんの本です。
「采配」という本もあったので悩みましたが、采配は監督目線(経営者目線)がより濃かったので、もう少し選手(社員)に近いコーチ(リーダー)目線の本を紹介します。

いかがでしょうか。

私自身も本を読んで仕事で試してみて効果を見るということを20年実施してみました。

でも結論から言うと、部下や上司の人となりによって、全く違う結果になることでした。考えてみれば当たり前ですね。私は松下幸之助さんではないので、松下さんのやり方を真似しても、うまく行かないことは多々あります。

そこで、自分なりの、自分にあった指導哲学を踏まえて、部下によって、指導方法を調整することで少しずつうまくいったような気がします。私の場合は、リーダーとして引っ張っていくタイプではないので、部下のいいところを引き出して調整する方が向いていました。

だから、皆さんも自分なりの方法で試してください。その時に、本を読めば、どのような方法があるか分かるので参考にしてくれたら幸いです。

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